医療等で注目されるプラセンタに期待
PLACENTA
胎児の生命を維持し成長を促すため、組織の再生を助ける細胞増殖因子を生産すると言われているプラセンタは、栄養価の高さでも注目されています。医療界では治療として注目され、美容界ではコラーゲンやヒアルロン酸に代わるものとして期待が高まっているプラセンタを求める方々にとってお金と時間の無駄遣いにならないよう、より良い商品を手に入れる方法をアドバイスいたします。
プラセンタの誕生と普及
日本で注目を集めるプラセンタは、美容目的だけでなく、古くから研究されてきた効果の高い医薬品でした。
プラセンタの摂取が広く試みられるようになったきっかけは、第二次世界大戦末期の1943年、食糧不足による国民、特に妊産婦の母乳分泌不全と新生児の高死亡率を憂慮した文部省学術部が、全国の国立大学に栄養薬剤の研究開発を指令したことでした。これに応え、京都大学産婦人科教授らが中心となり、人間の胎盤の活用という、当時まだ解明されていない不思議な作用を持つ物質の研究に着手しました。
その研究は、1930年代、旧ソ連・オデッサ医科大学教授のフィラトフ博士が実施した「胎盤埋没療法(組織療法)」に端を発します。
胎盤埋没療法とは、冷凍保存した健康な組織(皮膚や胎盤など)を皮膚の中に埋め込む療法のことです。
さらに、プラセンタが医薬品、化粧品、健康食品として利用される以前には、秦の始皇帝が不老長寿の薬として、楊貴妃やクレオパトラが若さと美しさの維持に用いていたという文献も存在します。
プラセンタエキスの可能性と成分の特徴
プラセンタは、胎児の生命維持と成長を促すため、ホルモン分泌、免疫機能、解毒作用などを担い、組織の再生を助ける細胞増殖因子を生産すると考えられています。
薬理作用は現在20種類以上あるといわれています。
- 基礎代謝向上作用
- 細胞活性化作用
- 呼吸促進作用
- 造血作用
- 血行促進作用
- 疲労回復作用
- 血圧調節作用
- 自律神経調節作用
- ホルモン調節作用
- 抗炎症作用
- 創傷回復促進作用
- 抗アレルギー作用
- 強肝・解毒作用
- 免疫強化作用
- 抗突然変異作用
- 体質改善作用
- 妊婦の乳汁分泌促進作用
- 精神安定作用
- 活性酸素除去作用
- 精神安定作用
栄養価も高く、三大栄養素と十数種類のアミノ酸、そしてミネラルと100種類を超える酵素が含まれているといわれています。これだけの多くの身体に良い成分が含まれているため、人それぞれに様々な健康的な変化が現れます。
特に、肌への変化についてご紹介します。
- プラセンタ→新陳代謝UP↑↑↑→メラニン色素の沈着を防ぎ、肌の表面からメラニン色素の排出を促し、シミを薄くする。
- プラセンタ→コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンの合成を促す→シワやたるみを防ぎ、肌に潤いを与える。活性酸・素除去とコラーゲンの合成を促す、必須アミノ酸、ビタミンC・Eが含まれているため。
- プラセンタ→活性酸素除去→紫外線による活性酸素の害を抑え、肌を守る。
プラセンタ含有商品はどれも同じ?
プラセンタ製品は、近年人気が高まっています。Yahoo! Japanでの検索数は約21,900,000件、Googleでは約8,000,000件にも上り、プラセンタ注射診療を行う医療機関も400病院を超えています。この2年間で検索数が劇的に増加したキーワードです。そのため、多くのプラセンタエキス含有商品が販売されています。
由来が異なるのはなぜですか?
プラセンタエキスは、ヒト由来を除くと、豚、馬、羊、鹿、魚、植物などから抽出されています。
- 動物以外の魚や植物由来のプラセンタエキスには、一定の栄養価は含まれているものの、プラセンタ特有の動物性細胞増殖因子が含まれていないとされています。そのため、複合栄養素で構成されたビタミン剤の方が効果的です。
- 馬、羊、鹿などのプラセンタエキスには、豚由来のものより有効な成分が含まれている可能性もあります。特に馬プラセンタは窒素量が高く、有効性の高い成分が含まれているという意見もあります。しかし、日本で継続的に食用として扱われているのは豚のみです。それ以外の動物由来のプラセンタエキスは、東アジアや中国などから冷凍保存されたものが多く輸入されています。国内産馬由来の商品もありますが、必要量を確保できないためコストが高くなり、安価での販売は困難で、プラセンタ含有量も少ないと考えられます。
- 馬プラセンタは窒素量(プラセンタの有効性指標)が高いとされていますが、これは馬と豚のプラセンタ含有量が同等の場合に限られます(コスト的に不可能です)。また、豚の方が人間と遺伝子構造が近いため、吸収率が良いとも考えられています。実際、再生医療では豚の体内を利用した臓器増成実験が頻繁に行われています。
- 豚由来プラセンタは、安定供給が可能で、含有量を増やし、低価格での提供が可能なため、商品化が容易で、人体への吸収も良いと考えられます。そのため、他の動物由来や植物由来のプラセンタエキスは、豚由来に匹敵できないため、差別化を図るために使用されていると考えられます。
商品に表示されているプラセンタ含有量
プラセンタエキス配合商品は、含有量を示す窒素量が100mgから550000mgまで、商品によって大きく異なります。
表記されている量のプラセンタエキスが必ずしも含有されているとは限りません。
プラセンタエキス数万mg配合と記載されている商品の中には、次のようなカラクリがある場合があります。
食品やドリンク、化粧品など、すべての含有量は工場出荷時の数値です。一部の企業は、表記する成分は少量しか配合せず、窒素量などの含有量を他の成分で水増しし、含有量の数値を高く見せかける場合があります。
例えば、牛乳を薄めてメラニンを混入することでタンパク質含有量を水増しできるのと同様、プラセンタエキス配合商品では、少量のエキスに大量のコラーゲンを加えることで窒素量を水増しすることが可能です。そのような商品では、原材料名に「コラーゲンペプチド」が「プラセンタエキス」より先に記載されていることが多いです。また、他の美容成分を多く配合することで、少量のプラセンタエキスでも含有を強調している商品もあります。
プラセンタエキス含有商品を購入する際は、窒素量と原材料名の記載順序を確認することが、良い商品選びの有効な方法です。
医療・栄養・美容の各分野で注目を集め、今後ますます脚光を浴びるプラセンタ。本物か偽物か、良いものか悪いものか、体に合うか合わないかを見極め、無駄遣いをしないよう、成健研究所は応援します。